月見団子と子どもたち
聖が「お月見をしよう!」って言うから、明るいうちにみんなで集まって準備をしたのだけど・・・
「ちょっと聖、江利子、あなた達さっきからお団子いくつ食べてるのよ」
「ん〜、4個目?」
「私はまだ2個目よ」
まだ・・・って江利子、あなたまだまだ食べる気満々なの?
「あのねえ、『お月見』っていうのは月を見るものであってお団子を食べるものじゃないでしょう?」
これじゃあ『花より団子』ならぬ『月より団子』になっちゃうじゃない。
「あら蓉子、昔からお月見には子ども達が月見団子を盗み食いする風習があるんだよ?
それで、団子を多く盗まれた方が縁起がいいんだってさ」
「そういうわけで、大目に見なさい」
「どういう理屈なのよ、それは。っていうか、まだお供えだってしてないじゃない。
その風習は作っている最中のお団子を盗み食いするものではないんでしょう?」
そう。まだ私達はお月見を始めてすらいないのだ。
始める前からお団子がなくなってしまってるんじゃ話にならない。
「ちぇ〜、蓉子ノリ悪いー」
「聖、蓉子にノリの良さを期待することが間違ってるわよ」
「・・・悪かったわね、ノリが悪くって。・・・って聖!!何ドサクサに紛れて食べてるのよ!」
「あは、ばれちゃった」
無事にお団子をお供えしてからお月見が出来るのか、先行きは不安でいっぱいです・・・。
あとがき
今日(9月28日)が中秋の名月ってことで、こんなの書いちゃいました。
子どもが団子を盗み食いする風習云々っていうのは本当にあるんですよ。
でも、作ってる最中のつまみ食いじゃなあ・・・。
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